論文 コーナー
急成長する中国の代表的な企業:海爾(ハイアール)
甲南大学 経営学部 杉田俊明
財団法人 日中経済協会『日中経協ジャーナル』2001年10月号掲載分
(要旨)
1、日本企業の苦戦とは対照的に、中国企業の成長は目覚しい。 とりわけ世界ナンバーワンの家電生産国に伸し上がった中国においては、その家電企業は国内に止まらず、グローバルマーケットにおいてもシェアを急速に拡大している。 代表的な企業、海爾(ハイアール)は、米誌Forbes Global誌(2001年8月6日)により、Top ten makers of large kitchen appliances において第6位に選出された。Top tenに辛うじて残った日本勢は第9位の松下電器産業と第10位のシャープだけであった。 |
2、海爾の急成長は、好学で謙虚、かつ、戦略的で、強力なリーダーシップをもつ経営者の存在と、そのリードによってもたらされたものである。 そして、いままでに実施してきた「定期定量淘汰制度」などを含む多くの体系的な管理システムを導入・実施し、それらを相対的に厳格に適用した結果でもある。 |
3、海爾はなぜ急成長できたのか、海爾の経営者はどのように経営を行い、戦略を立て、日本企業を含む強大な外資企業が林立する家電分野において競争を展開し、自社をリードしてきたのか。また、中国国内のみならず、グローバルマーケットにおけるますます熾烈な競争に直面して、日本企業はどうあるべきか。本稿(並びに2002年1月号掲載予定の続編)には少なからぬヒントが含まれていると信じる。 |
海爾集団本社ビル(筆者撮。右同) | 海爾科学技術館 |
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