ケース研究
ストライキ騒ぎに巻き込まれたホンダの中国現地法人

ー 何が起こったのか、何が問題なのか ー


執筆者:杉田俊明

 20105月中旬から6月上旬にかけて、衝撃的なニュースが日本企業を襲った。特に、国際事業を展開している企業、中国において事業を展開している企業にとってその衝撃は多大なものであった。

中国ビジネスにおいて快進撃を続けていたホンダの中国現地法人が現地においてストライキ騒ぎに巻き込まれていたのである。現地においてホンダが単独出資で設立した部品製造会社の一つにストライキが発生し、約2週間も続いていた。その結果、それらの部品の供給を受けていた同ホンダグループの、中国との合弁の完成車組み立て会社34工場の生産にも影響が出て、全ラインの生産中止を余儀なくされていた。

 当該部品製造会社での争議がようやく終結に向かい始めた頃、今度はホンダのグループ会社が設立した他の部品製造現地法人二社において相次ぎストライキが発生した。それらの部品の生産が停止したため、完成車会社の2工場での生産が再び影響を受け、混乱に巻き込まれていたのである。

 日本の代表的なグローバル企業の一つであるホンダが、中国において好業績を挙げ続けてきた企業でもあり、中国側からもいままでに高く評価されてきた企業でもある。そのホンダの中国現地法人において何が起こったのか?また、何が問題だったのか?本稿は、最新の情報を含め中国側の報道を広く、丹念に収集し、文献サーベイを通じ、整理・分析することにより、いくつかの側面からそれらの事実関係を克明に浮き彫りにするものである。そして、これらのミクロの視点における事実関係の解明により、経営戦略、また、経営実務的な視点において、ホンダのみならず、在外日系企業を含む日本企業全体にとっての示唆を提供するものでもある。


シリーズ 1 論文
「労働争議」だけが問題ではない ―ホンダ中国現地法人のストライキ事例から何を学ぶべきか―
杉田俊明研究室ワーキングペーパー、2010年6月13日版
(v3)
概要:下記シリーズ2と3にある問題点と教訓の一部分を抽出して記したもの。
杉田担当業務利用者は所定のパスワードを使用してネット版を閲覧可。

前掲ワーキングペーパーの内容の一部は、論文
「中国労働争議の教訓 日系企業は何を学ぶべきか」として、
日本貿易振興機構 『ジェトロセンサー』2010年8月号(7月刊)に掲載されている。
(校正:雑誌掲載文p.28左下から11行目「広汽本田で総経理」は「広汽本田で副総経理」。
詳細については下記シリーズ 2・雑誌掲載版のp.79 を参照されたい。)

シリーズ 2 論文(前篇)
ストライキ騒ぎに巻き込まれたホンダの中国現地法人ー 何が起こったのか、何が問題なのか ー
甲南大学『甲南経営研究』第51巻第1号、2010年7月刊

概要:事実関係についての詳細文献研究と問題点や教訓(一部)についての分析
杉田担当業務利用者は所定のパスワードを使用してネット版を閲覧可。
(校正:雑誌掲載文p.80下から4行目「彷間を読む」は「行間を読む」)

大阪商工会議所、(財)日中経済協会 セミナー資料
中国の労働争議から見えてくるモノ! 〜新たなる中国ビジネスでの挑戦
2010年7月21日(大阪商工会議所にて)


日本貿易学会東部部会 研究報告資料
新時代における中国ビジネスの課題  日系中国現地法人従業員ストライキ関連ケース研究の啓示
2010年7月24日(日本大学経済学部7号館にて)


シリーズ 3 論文(前掲シリーズ2の続編)
甲南大学『甲南経営研究』第51巻第2号、2010年9月刊(予定)
概要:事実関係の詳細サーベイと問題点や教訓
(全体戦略、工会問題や報道・情報の問題点など)についての分析

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メールTO: toshi.sugita@nifty.com
杉田俊明研究室(甲南大学経営学部)
更新 2010/08/09
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