日中ビジネス 国交回復35年の歩み

執筆者:杉田俊明(甲南大学

                   本文の主旨

 日中国交回復の式典が行われていた1972年、日本から中国に渡り当時現地で勤務していた両親と共に筆者も現地で「感無量」を体験していた。学生生活を送った6年後に帰国した筆者はそれから商社の中国室やコンサルティング、教育・研究と職場を変えながらも、中国ビジネスに一貫して関わってきた。

そして07年の今、国交回復35周年という記念すべき年を迎えた。この間、日中間の貿易総額は72年の11億米ドルから06年の2113億米ドルへと実に192の規模に拡大した。さらに、規模、つまり、量的な拡大のみならず、日中貿易は質的な側面においても、原料対製品の垂直型の貿易構造から、製品を輸出し合う水平型の貿易構造に転換していた。中国経済の目覚しい成長と日中間における緊密な経済交流、これら35年前の誰もが予測が着かなかった結果に、再び「感無量」を体感しているこのごろである。

日中貿易の量的、質的な拡大は、結果的に中国の経済発展と日本の経済厚生に多大な貢献をなしてきたことはいうまでもない。そういう意味においても、この35年間、多くの苦労を乗り越えながら直接や間接的に日中貿易の拡大を支えきた両国の先輩を含むすべての企業や団体の関係者の努力に対し、我々は忘れることはできない。

本文は、この35年間における日中貿易関係者の努力を回顧すると同時に、両国間の経済交流を拡大するためにそれぞれの歴史的なステージにおいて応用されてきた主なビジネスの形態や経営の課題について焦点を当て、レビューを行いながらそれらによって示唆されている含意を吟味し、日中ビジネスの一層の発展のための参考としたい。


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本文の一部は、『日中経協ジャーナル』財団法人日中経済協会、2007年5月号に掲載されている。
掲載文の詳細については当該雑誌を参照されたい。

メールTO: toshi.sugita@nifty.com
杉田俊明研究室(甲南大学経営学部)
更新 2007/04/29
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