アジアへの直接投資と現地経営
―――日本企業の課題について
執筆者:杉田俊明(甲南大学)
以下の原稿は 「世界最大の工場」である中国、そして「世界最大の市場」にもなりつつある中国への直接投資は日本企業にとって引き続き高い水準で続いている。中国現地法人の経営強化と現地市場での一層の展開、そして日本を含む世界市場への輸出展開もますます盛んになっている。だが、人民元の切り上げや沿海地域における人件費、インフラコストの上昇圧力、あるいは中国の対日感情が引き起こされている諸問題により、日本企業は現在、アジアへの直接投資を再び重視するようになってきている。中国ビジネスとのバランスをとりながらも、リスク・マネジメントの一環としても、世界戦略の中におけるアジア全体での生産拠点の最適配置と、アジア市場への対応強化を一層徹底するように動き始めている。 |
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